💼 編集部レビュー|会計ソフト実比較
📌 この記事の立場
freeeとやよいの青色申告オンラインを、個人事業主の確定申告という実務目線で比べた記事です。料金・機能は2026年6月時点で各社公式を確認した数字をベースにしています。最終的な料金や仕様は各公式サイトでご確認ください。本記事は広告(アフィリエイトリンク)を含みます。
会計ソフトを選ぶとき、ほぼ必ず最終候補に残るのが「freee会計」と「やよいの青色申告オンライン」の2つだと思います。どちらも個人事業主の確定申告で定番ですが、設計思想がかなり違うソフトで、合う人・合わない人がはっきり分かれます。
私自身、開業当初にこの2択でかなり迷いました。簿記の知識がほぼゼロの状態で始めたので、「とにかく質問に答えれば申告書ができる」という触れ込みに惹かれたのを覚えています。一方で、ある程度仕訳が分かる人からは「やよいのほうが画面が素直で速い」という声もよく聞きます。
この記事では、両者の料金・機能・使い勝手を一度フラットに並べたうえで、「どういう人ならどっち」という判断軸を自分なりに整理してみました。結論を先に置いておくと、迷いどころは大きく3つに集約できると感じています。
💡 先に結論(3行)
- 簿記が苦手で「経理に時間をかけたくない」ならfreee。質問形式で帳簿を意識せず申告まで進める。
- コスト最優先・簿記の基礎がある・将来も自分で帳簿を組みたいなら、やよい(初年度無料あり)。
- どちらも無料お試し期間があるので、最後は「2週間ずつ実際に触って決める」のが一番ハズレが少ない。
そもそも何が違う?freeeとやよいの設計思想
料金表を見比べる前に、2つのソフトが「何を大事にして作られているか」を押さえておくと、後の判断がぶれにくくなります。ここが両者の最大の分かれ目だからです。
freee会計:簿記を知らない人を前提に作られている
freeeは「簿記の知識がなくても申告できる」を強く打ち出しているソフトです。たとえば取引を登録するとき、「借方・貸方」という言葉をほとんど見ずに済みます。「何にいくら使った?」「事業用?プライベート?」という日本語の質問に答えていくと、裏側で勝手に仕訳が組まれていく作りです。
確定申告も同じ思想で、○×形式の質問に答えていくと申告書が完成します。私が初年度に助かったのはまさにここで、「青色申告特別控除65万円を取るには何が必要か」を自分で調べなくても、ソフトが順番に聞いてきてくれました。
やよいの青色申告オンライン:帳簿の発想に近く、動作が軽い
やよいは老舗の会計ソフト「弥生シリーズ」のクラウド版です。こちらは良くも悪くも「帳簿をつける」という伝統的な発想に近く、画面構成も家計簿〜会計ソフトに慣れた人には素直に映ります。
動作が軽快で、入力のレスポンスが速いという評価をよく見かけます。サポート体制が手厚いことでも知られていて、電話で人に聞きながら進めたい層からの支持が厚い印象です。簿記をある程度知っている人や、過去に他の会計ソフトを使ったことがある人だと、やよいのほうが「思った場所に思った機能がある」と感じやすいと思います。
📝 ざっくりした言い方をすると
freeeは「経理をAIっぽい質問形式で肩代わりしてくれる」タイプ、やよいは「素直な帳簿ツールを安く手厚いサポートで使える」タイプ。この性格の違いが、料金や機能の差にもそのまま出てきます。
料金を正面から比較する(個人事業主プラン)
個人事業主が気になるのは、やはり毎年いくらかかるかです。両者とも複数プランがあるので、確定申告でよく選ばれる中位プランを軸に並べてみます。金額は2026年6月時点・税込のおおよその年額で、キャンペーンや改定で動くため最新は各公式での確認をおすすめします。
| 項目 | freee会計(スターター/スタンダード) | やよいの青色申告オンライン(ベーシック/トータル) |
|---|---|---|
| 初年度 | 通常は初月無料などのキャンペーン中心。年額はそのまま課金されることが多い。 | 「初年度無料」プランあり(セルフプランなど)。最初の1年のコストを抑えやすい。 |
| 年額の目安 | おおむね年12,000〜35,000円前後(プランにより変動)。 | おおむね年9,000〜30,000円前後(プランにより変動)。 |
| サポート | 上位プランでチャット・メール中心。電話は限定的。 | プランにより電話サポートが手厚い。初心者の安心感は強み。 |
| 無料お試し | あり(期間限定で全機能)。 | あり(初年度無料プランで実質長め)。 |
| 確定申告対応 | 質問形式で申告書作成、e-Tax連携あり。 | 申告書作成、e-Tax連携あり。 |
(出典: freee・弥生 各公式サイトの料金ページ。金額・プラン名はキャンペーンや改定で変わるため、契約前に必ず最新を確認してください。)
⚠️ 料金比較の落とし穴
「初年度無料」だけを見て決めると、2年目以降の年額で逆転することがあります。会計ソフトは一度入れると乗り換えが面倒なので、見るべきは初年度ではなく2〜3年使ったときの総額と、自分が必要とするサポート水準です。
コストだけで言えばやよいがやや有利になりやすい
純粋な金額で見ると、初年度無料プランがあるぶん、やよいのほうが立ち上がりのコストを抑えやすいと感じます。とくに「とりあえず青色申告の65万円控除を取りたいだけ」というシンプルな使い方なら、やよいのベーシック相当でも十分まかなえることが多いです。
ただし、これは「自分で帳簿の入力ができる」前提の話です。freeeが肩代わりしてくれる作業を自分でやることになるので、そのぶんの手間を時給換算したら結局トントン、という考え方もできます。ここは後段の「時間コスト」で改めて触れます。
機能・使い勝手の比較
料金が近い以上、決め手になるのは結局「自分が毎日・毎月触ったときに楽かどうか」です。実務でよく効いてくるポイントを整理します。
| 観点 | freee会計 | やよいの青色申告オンライン |
|---|---|---|
| 取引入力の発想 | 質問形式・自動仕訳が中心。簿記を意識しない。 | 帳簿に近い発想。簿記が分かると速い。 |
| 銀行・カード連携 | 自動取得・自動仕訳が得意。連携先も豊富。 | 自動取込あり。安定感の評価が高い。 |
| スマホアプリ | アプリの完成度が高く、外出先での入力に強い。 | アプリあり。基本機能は十分。 |
| レシート・領収書 | 撮影→自動読取の体験が洗練されている。 | 取込機能あり。 |
| 動作の軽さ | 機能が多いぶん、人によっては重く感じることも。 | 軽快という声が多い。 |
| サポート | チャット中心。自己解決派と相性が良い。 | 電話サポートが手厚く初心者向き。 |
freeeが向いているのはこんな人
- 簿記をこれから覚える気はあまりなく、経理にかける時間を最小化したい。
- 銀行・クレジットカードの取引が多く、自動連携でまとめて処理したい。
- スマホで外出先からサッと記録したい。
- 請求書発行や経費精算など、会計以外の周辺機能もまとめたい(freeeはサービス間連携が強い)。
やよいが向いているのはこんな人
- コストをできるだけ抑えたい。とくに初年度の支出を減らしたい。
- 簿記3級程度の知識があり、自分で仕訳を組むことに抵抗がない。
- 困ったときに電話で人に聞きながら進めたい。
- 取引量がそれほど多くなく、シンプルに青色申告を完結させたい。
正直なデメリットも書いておきます
freeeは「質問形式が逆に回りくどい」と感じる簿記経験者が一定数います。自動仕訳の精度も万能ではなく、勘定科目を後から直す手間が出ることもあります。やよいは「クラウドにしてはUIが少し古い」という声や、自動化の体験ではfreeeに一歩譲るという評価も見かけます。どちらも完璧ではない、というのが率直なところです。
見落としがちな「時間コスト」という判断軸
料金表だけ見ると数千円の差ですが、個人事業主にとってもっと大きいのは「経理にかかる時間」だと思っています。本業で稼げる時間を経理に取られるのは、見えにくいですが確実なコストです。
たとえば月の取引が100件あるとして、自動仕訳の精度が高いソフトなら確認とちょっとした修正で済みます。逆に手入力が多いと、慣れないうちは月に数時間〜申告期はもっとかかることも珍しくありません。仮に時給を2,000〜3,000円と置くと、年間の差は会計ソフトの料金差を簡単に上回ります。
考え方のコツ
「ソフト料金が年1万円安い」より「経理時間が年20時間減る」のほうが、多くの個人事業主にとって価値が大きいことが多いです。簿記が苦手な自覚があるなら、料金が少し高くてもfreeeの自動化に投資する判断は十分合理的だと思います。
会計ソフト周りで一緒に整えておきたいもの
確定申告まわりを効率化するなら、会計ソフト単体で完結させず、その前後の業務もセットで考えると効果が大きいです。私が実際に組み合わせて楽になったものを挙げておきます。
① 経理の入口を整える(請求・経費)
freeeやマネーフォワード クラウドは、会計だけでなく請求書発行・経費精算まで同じ世界観でつながります。データが行き来する手間が減るので、複数サービスを別々に使うより仕訳の取りこぼしが減ります。コスト重視で会計はやよい、という人も、請求書だけはクラウドサービスに寄せると締め作業が一気に楽になります。
② 契約まわりを電子化する
取引先との契約書を紙でやり取りしていると、印紙代・郵送・保管が徐々に負担になります。freeeサインのような電子契約を使うと、締結までの時間短縮と印紙税の節約につながります。会計ソフトと同じ事業者で揃えると、管理画面の往復が減るのも地味な利点です。
③ 打ち合わせの記録を自動化する
クライアントとの打ち合わせが多い人は、AI議事録ツールを入れておくと振り返りが楽になります。NottaやtL;dvのようなツールは、会議を録音・文字起こしして要点をまとめてくれます。経費や請求の根拠を後から確認するときにも役立つので、会計の前段として相性が良いです。
※ これらは必須ではありません。まずは会計ソフトを1つ決め、運用が回り始めてから一つずつ足していくほうが定着しやすいです。一気に全部入れると、どれも中途半端になりがちです。
インボイス・電子帳簿保存法への対応はどうか
2023年のインボイス制度開始と、電子帳簿保存法(電子取引データの保存義務化)以降、会計ソフト選びでこの2点を外せなくなりました。結論から言うと、freeeもやよいも両方とも対応済みなので、ここは決め手にはなりにくいです。とはいえ運用感は少し違います。
インボイス(適格請求書)については、どちらも登録番号の管理や、課税事業者・免税事業者の取引区分に対応しています。freeeは請求書発行までワンセットで揃えやすく、登録番号入りの請求書をそのまま発行できる点が便利でした。やよいも対応していますが、請求書発行は別サービスとの組み合わせになる場面があります。
電子帳簿保存法については、メールやネットで受け取った請求書・領収書を、要件を満たす形で保存する必要があります。両ソフトとも電子取引データの保存に対応していますが、最終的に自社の保存方法が要件を満たすかは、国税庁の最新の指針で確認するのが安全です(出典: 国税庁・電子帳簿保存法関連ページ)。
⚠️ ここは思い込みで判断しない
「インボイス対応してるか不安」でソフトを比較する人は多いのですが、主要クラウド会計はほぼ対応済みです。差がつくのは対応の有無ではなく、請求書発行までスムーズに繋がるか・データ保存の運用が自分に合うか、という細部です。
第3の選択肢「マネーフォワード クラウド」も外せない
freeeとやよいの2択で語られがちですが、実務ではマネーフォワード クラウド確定申告も有力な候補です。私の周りでも「freeeほど自動化に振り切ってはいないが、やよいよりモダンで連携が広い」という理由で選ぶ人が一定数います。
立ち位置としては、freeeとやよいの中間に近いと感じます。銀行・カード・電子マネーなどの連携先が非常に多く、複数の口座やサービスをまたいでお金が動く人には強い味方です。請求書・経費・給与といった周辺サービスとの連携も充実していて、事業が大きくなったときに横展開しやすいのも利点です。
「freeeの質問形式が回りくどく感じるけど、やよいの画面はちょっと古く感じる」という人は、一度マネーフォワードも無料で触ってみると比較の解像度が上がります。最終的に3つ並べて選ぶと、自分が何を優先しているのかがはっきりします。
| タイプ | freee | マネーフォワード | やよい |
|---|---|---|---|
| 自動化の強さ | ◎ | ○ | △〜○ |
| 連携先の広さ | ○ | ◎ | ○ |
| コストの安さ | △ | ○ | ◎(初年度無料あり) |
| サポートの手厚さ | ○ | ○ | ◎(電話) |
| 簿記知識が要らなさ | ◎ | ○ | △ |
(評価は編集部の利用感に基づく相対的な目安で、絶対評価ではありません。)
結局どっち?タイプ別の選び方フローチャート
ここまでを踏まえて、自分なりの判断フローを言葉で整理しておきます。上から順に当てはまるものを選んでみてください。
- 簿記の知識がほぼなく、経理に時間をかけたくない → freee
- とにかくコスト最優先で、初年度は無料で始めたい → やよい
- 電話サポートで人に聞きながら進めたい → やよい
- 銀行・カード連携やスマホ入力をフル活用したい → freee
- 請求・経費・契約まで一つの世界観でまとめたい → freee(またはマネーフォワード)
迷って決めきれないときは、無理に机上で結論を出さないほうがいいと思います。両方とも無料で試せるので、同じ1週間分の取引を両方に入れてみると、自分にとっての「触り心地」がはっきりします。最後はその感覚で選ぶのが、いちばん後悔が少ない決め方だと感じています。
導入を90日で軌道に乗せる進め方
会計ソフトは「契約して終わり」ではなく、習慣化できて初めて効果が出ます。最初の3ヶ月の進め方をシンプルに書いておきます。
- 1〜2週目: freeeとやよいの両方を無料登録し、直近1ヶ月分の取引を入力して比べる。
- 3〜4週目: 使うほうに決め、銀行・カードの自動連携を設定。手入力をできるだけ減らす。
- 2ヶ月目: 週1回・15分の「経理タイム」を固定。溜めないことが65万円控除への最短ルート。
- 3ヶ月目: 請求書や電子契約など周辺業務を1つだけ追加し、入口から出口までつなげる。
✅ まとめ
freeeとやよいは「どっちが優れているか」ではなく「自分の経理スタイルに合うか」で選ぶものだと思います。時間を買いたいならfreee、コストと自力運用ならやよい。最後は無料お試しで実際に触って、しっくりくるほうを選んでください。
よくある質問(FAQ)
Q1. freeeとやよい、初心者にはどっちがおすすめ?
簿記の知識がほぼないなら、質問形式で進めるfreeeのほうが迷いにくいと感じます。一方で「電話で人に聞きながら進めたい」初心者にはやよいの手厚いサポートが合うこともあります。タイプ次第なので、両方の無料お試しを使ってみるのが確実です。
Q2. 途中で乗り換えることはできますか?
過去データの取り込みには対応していますが、勘定科目の対応づけなど手間は発生します。乗り換えは不可能ではないものの面倒なので、最初に無料期間でしっかり試して決めるほうが結局ラクです。
Q3. 青色申告の65万円控除はどちらでも取れますか?
はい、どちらも複式簿記での記帳とe-Tax(電子申告)に対応しているので、要件を満たせば65万円控除を目指せます。控除の要件自体は国税庁のルールなので、ソフトの違いではありません(出典: 国税庁)。
Q4. スマホだけで確定申告まで完結できますか?
日々の入力はどちらもスマホアプリで可能です。freeeはアプリの完成度が高い評価です。ただし申告書の最終確認は画面の広いPCでやったほうが安心、というのが個人的な実感です。
Q5. 料金は本当にこの記事の金額のままですか?
会計ソフトの料金はキャンペーンや改定で頻繁に動きます。この記事の数字は2026年6月時点の目安なので、契約前に必ず各公式サイトの最新料金を確認してください。とくに「初年度無料」系は適用条件があることがあります。
🛡️ 免責・広告について
本記事は広告(アフィリエイトリンク)を含みます。料金・機能は2026年6月時点で各公式サイトを確認した情報です。税務・会計の最終判断は税理士・公式情報をご確認ください。最新の料金は各公式サイトでご確認ください。


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