フリーランスが経費にできるもの一覧|会計ソフトで漏れなく計上するコツ【2026年最新】

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📅 公開: 2026年7月25日 / 最終更新: 2026年7月10日

💼 編集部レビュー|フリーランスの会計実務を検証

📌 この記事の立場

この記事は、フリーランス・個人事業主の確定申告と経費計上の実務を、編集部が会計ソフトを実際に触りながら整理したものです。税制・料金は2026年6月時点。個別の判断は最終的に税理士・税務署にご確認ください。一般論として読んでいただければと思います。

「これって経費で落とせるんだっけ?」——確定申告が近づくたびに、レシートの束を前にして手が止まる。フリーランスを何年かやっていても、毎年ここで悩む人は多いと思います。

経費にできるかどうかの線引きは、実はそんなに難しいルールではありません。ただ、「家賃は何割まで?」「スーツは経費になる?」みたいな個別判断になると、急に曖昧になる。そこが厄介なところです。

この記事では、フリーランスが経費にできるものを勘定科目ごとに一覧で整理しつつ、判断に迷いやすいグレーな支出の考え方、そして会計ソフト(freee・マネーフォワード クラウド・やよいの青色申告オンライン)を使って計上漏れを減らすコツまで、自分なりにまとめてみました。

この記事の内容

  1. そもそも「経費」とは何か — 判断の大原則
  2. フリーランスが経費にできるもの一覧(勘定科目別)
  3. 判断に迷うグレーな支出の考え方(家賃・スーツ・飲食など)
  4. 経費にできないもの・やりがちなNG
  5. 会計ソフトで計上漏れを防ぐ5つのコツ
  6. 主要会計ソフト3社の比較
  7. よくある質問(FAQ)

そもそも「経費」とは何か — 判断の大原則

経費(必要経費)とは、ざっくり言えば「事業の売上を生み出すために使ったお金」です。国税庁の定義でも、必要経費は「総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るため直接に要した費用」「販売費、一般管理費その他業務上の費用」とされています(出典: 国税庁)。

つまり判断軸はシンプルで、「その支出が事業に関係しているか」。ここが説明できれば、基本的には経費にできます。逆に、生活のための支出(プライベートな食費・趣味)は経費になりません。

経費かどうかを迷ったときの3つの問い

  • ① 事業に必要か? — 仕事のために使ったと説明できるか
  • ② 金額は妥当か? — 売上規模に対して常識的な範囲か
  • ③ 証拠が残せるか? — 領収書・利用明細・使用記録があるか

この3つに胸を張って「はい」と言えるなら、経費計上していい支出だと考えていいと思います。

もうひとつ大事なのが「事業按分(あんぶん)」という考え方。自宅兼事務所の家賃やスマホ代のように、プライベートと事業が混ざっている支出は、事業で使っている割合だけを経費にします。ここは後ほど詳しく触れます。

フリーランスが経費にできるもの一覧(勘定科目別)

まずは全体像を勘定科目ごとに一覧にしました。確定申告書(青色申告決算書)で使う科目とほぼ対応しているので、会計ソフトに入力するときの仕分けの目安にもなります。

勘定科目 主な内容 具体例
地代家賃 事業で使う場所の賃料 事務所家賃、コワーキングスペース、自宅の事業按分分
水道光熱費 電気・ガス・水道 自宅兼事務所の事業按分分
通信費 ネット・電話・郵送 スマホ代、ネット回線、ドメイン・サーバー代、切手
消耗品費 10万円未満の備品・文房具 文房具、プリンタ用紙、マウス、ケーブル類
減価償却費 10万円以上の資産を分割計上 PC、カメラ、車両など
新聞図書費 仕事に関わる書籍・情報 専門書、業界誌、有料記事サブスク
接待交際費 取引先との会食・贈答 打ち合わせの飲食、お中元・お歳暮
会議費 打ち合わせの飲食(少額) カフェでの打ち合わせ代、会議室代
旅費交通費 移動にかかる費用 電車・バス・タクシー、出張の宿泊費、ガソリン代
広告宣伝費 集客・PRの費用 名刺、Web広告、ポートフォリオサイト制作
外注費 業務を外部に委託 デザイン・コーディング・編集の委託料
支払手数料 各種サービス利用料 会計ソフト・SaaS利用料、振込手数料、決済手数料
研修費 スキルアップ費用 セミナー、オンライン講座(事業に直結するもの)
租税公課 事業に関する税・会費 個人事業税、固定資産税の按分、商工会議所会費
損害保険料 事業に関わる保険 事務所の火災保険、賠償責任保険
雑費 他に当てはまらない少額費用 クリーニング代(仕事用)、少額の手数料など

「雑費」は使いすぎ注意

便利だからといって何でも雑費に放り込むと、見栄えが悪いだけでなく税務署から内訳を聞かれたときに説明しづらくなります。目安として、雑費が経費総額の5〜10%を超えてきたら、適切な科目に振り分け直すのがおすすめです。

開業前に使ったお金も経費になる(開業費)

意外と見落とされがちなのが「開業費」。開業のために事前に使った名刺作成費、市場調査の交通費、開業セミナー代などは、開業費としてまとめて資産計上し、好きなタイミングで経費(償却)にできます。

開業した年は売上が小さいことも多いので、利益が出た年に取り崩して節税に使う、といった調整ができるのが利点です。開業から数年さかのぼって計上できるケースもあるので、レシートは捨てずに残しておくといいと思います。

判断に迷うグレーな支出の考え方

一覧でスパッと割り切れない支出が、毎年悩みの種になります。ここでは特に相談が多いものを取り上げて、考え方を整理してみます。あくまで一般的な目安で、最終判断は事業実態によります。

① 自宅兼事務所の家賃・光熱費 — 「按分」がカギ

自宅で仕事をしているなら、家賃や電気代の一部を経費にできます。ポイントは「事業で使っている割合」を合理的に説明できること。

按分の根拠としてよく使われるのが「面積比」と「使用時間比」です。たとえば50㎡の自宅のうち1部屋(10㎡)を仕事専用に使っているなら、家賃の20%を地代家賃に計上する、という具合です。

按分割合の決め方の例

  • 家賃:仕事に使う面積 ÷ 全体面積
  • 電気代:仕事時間 ÷ 24時間、または使用部屋の割合
  • 通信費:仕事での使用時間の割合(スマホなら50%前後にする人が多い)

大事なのは「なぜその割合にしたか」をメモで残しておくこと。割合そのものに絶対の正解はなく、説明できる根拠があるかどうかが問われます。

② スーツ・服・美容代 — 原則は経費にならない

「客先に着ていくスーツは経費?」という質問はとても多いのですが、原則として個人の衣服は経費になりにくいです。理由は、プライベートでも着られてしまうから。事業専用とは言い切れないわけです。

一方で、撮影用の衣装、現場用の作業着、ロゴ入りのユニフォームのように「事業以外で使わない」ことが明確なものは経費にできる可能性があります。線引きは「仕事以外で使うか」で考えるとわかりやすいです。

③ 飲食代 — 「誰と・何のために」で科目が変わる

一人での昼食は、残念ながら経費になりません(生活費)。経費になるのは、取引先や仕事仲間との打ち合わせを兼ねた飲食です。

少額で打ち合わせメインなら「会議費」、接待色が強いなら「接待交際費」。どちらにせよ、レシートの裏に「誰と・何の目的で」をメモしておくと、後から説明できて安心です。

④ 勉強・書籍・サブスク — 事業との関連があるか

仕事に直結する専門書や講座は新聞図書費・研修費として経費にできます。ただし「いつか役立つかも」レベルの一般教養や趣味の本は、関連性の説明が難しくなります。

グレーなものは「割合」で逃げず「記録」で守る

迷ったときに大事なのは、経費にするか・しないかの白黒よりも、「事業で使った事実を記録しているか」です。利用目的のメモ、按分根拠の計算式、使用記録。これらが残っていれば、後から問われても落ち着いて説明できます。

経費にできないもの・やりがちなNG

逆に「これは経費にならない」というものも押さえておくと、計上ミスを防げます。代表的なものを挙げます。

項目 扱い 補足
事業主自身の生活費 ×経費にならない 食費・私服・娯楽などプライベート支出
所得税・住民税 ×経費にならない 個人にかかる税金。事業税は租税公課でOK
健康診断・人間ドック ×原則ならない 個人事業主本人分は原則対象外
事業主自身への給与 ×経費にならない 個人事業主に「自分への給料」の概念はない
国民健康保険・年金 ×経費ではない(が控除) 経費ではなく「社会保険料控除」で申告
生命保険料 ×経費ではない(が控除) 「生命保険料控除」で別枠申告
10万円以上の備品を一括計上 △やり方が違う 原則は減価償却。青色なら30万円未満一括の特例あり

NG例:健康保険料を「経費」に入れてしまう

国民健康保険料や国民年金は経費ではありませんが、「社会保険料控除」として全額が所得から差し引けます。経費に入れると間違いですが、控除を忘れると損をします。控除欄での申告を忘れないようにしたいところです。

もうひとつよくあるのが、青色申告の特例の使い忘れ。青色申告をしていれば、30万円未満の備品は「少額減価償却資産の特例」で買った年に一括経費にできます(年間300万円まで・出典: 国税庁)。10万円超のPCを律儀に4年で償却するより、利益が出た年にまとめて落とせると節税につながります。

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会計ソフトで計上漏れを防ぐ5つのコツ

経費の知識があっても、現実には「レシートをなくした」「記帳が追いつかない」で漏れます。ここを救ってくれるのが会計ソフトです。実際に触ってみて効果が大きかった使い方を5つ挙げます。

① 銀行口座・クレジットカードを連携して自動取得

freeeやマネーフォワード クラウドは、事業用の銀行口座やクレジットカードを連携すると、明細を自動で取り込んでくれます。手入力が減るだけでなく、「引き落とされたけど記帳し忘れた」という漏れがほぼなくなるのが大きいです。

最初にやるべき設定

事業用の口座・カードを生活用と分けて、それを会計ソフトに連携する。これだけで記帳作業の体感が大きく変わります。プライベートと混ざった口座だと仕分けが面倒になるので、分けておくのがおすすめです。

② レシートはスマホ撮影でその場でデータ化

各社のスマホアプリにはレシート撮影(OCR)機能があります。買ったその場で撮っておけば、金額・日付・店名を自動で読み取って仕訳の候補にしてくれます。「財布の中で溜まったレシートが読めなくなる」問題が減ります。

③ 仕訳ルールを学習させて自動仕分け

「この取引先からの入金は売上」「このサブスクは支払手数料」といったルールを一度登録すると、次回から自動で同じ科目に振り分けてくれます。毎月のSaaS課金やサーバー代のような定期的な支出に効果的です。

④ 家事按分は会計ソフトの按分機能で自動計算

家賃や光熱費の按分は、毎回電卓で割合を計算すると面倒で、結局計上をサボりがちです。freeeやマネーフォワードには「家事按分」の設定があり、割合を一度決めておけば決算時に自動で按分してくれます。按分漏れ=節税漏れなので、ここは設定しておく価値があります。

⑤ 月1回の「未確認取引ゼロ」習慣

自動連携しても、ソフト側が科目を判断できない取引は「未確認」として残ります。これを月末に一度ゼロにする習慣をつけると、確定申告期にまとめて数百件と格闘する地獄を避けられます。月1回30分で済むので、自分はこの運用に落ち着きました。

AI議事録・打ち合わせ記録も「証拠」になる

打ち合わせを兼ねた会食の交際費は、誰と何を話したかの記録があると説明しやすくなります。Nottaやtl;dvのようなAI議事録ツールで打ち合わせ記録を残しておくと、支出の事業性を裏づける材料になります。会計ソフトの利用料・議事録ツールの利用料自体も、もちろん支払手数料として経費にできます。

主要会計ソフト3社の比較

「結局どれを使えばいいの?」という声が多いので、フリーランスがよく使う3つの会計ソフトを、実際に試した印象も交えて整理しました。料金は2026年6月時点の個人向けプラン目安で、最新の正確な金額は各社公式でご確認ください(出典: 各社公式)。

項目 freee会計 マネーフォワード クラウド確定申告 やよいの青色申告オンライン
料金(年・税抜目安) 個人スターター 約11,760円〜 パーソナルミニ 約10,800円〜 ベーシック 約12,000円前後(初年度無料あり)
口座/カード連携 ◎ 自動取得が強い ◎ 対応数が多い ○ 標準的
操作の考え方 会計知識が浅くてもOK(質問形式) 簿記をある程度知っている人向け シンプルで素直な画面
家事按分 ◎ 設定が分かりやすい ◎ 対応 ○ 対応
スマホアプリ ◎ レシート撮影が快適 ◎ 多機能 ○ 基本機能あり
電子契約との連携 freeeサイン(電子契約)と統合できる MFクラウド契約と連携
こんな人に 簿記が苦手・とにかく迷わず申告したい 複数事業・複数口座を細かく管理したい コスト重視・まずシンプルに始めたい

迷ったときのざっくりした選び方

簿記の知識に自信がなく、質問に答えていく形で申告まで進めたいなら freee が向いていると思います。複数の事業や口座を細かく分けて管理したい人や、すでに簿記の感覚があるなら マネーフォワード クラウド が扱いやすい。とにかくコストを抑えてシンプルに始めたいなら やよいの青色申告オンライン、という整理が個人的にはしっくりきています。

正直なところ

3社とも無料お試し期間があります。経費の自動取り込みや家事按分の操作感は人によって好みが分かれるので、迷うなら2社を実際に触って、自分の取引明細が気持ちよく取り込めるほうを選ぶのが結局いちばん早いと感じました。

なお、電子契約まで一気に効率化したい場合、freeeなら freeeサイン、マネーフォワードなら MFクラウド契約 と組み合わせると、契約から会計までの流れがつながります。会計ソフト選びと合わせて検討してみる価値はあると思います。

よくある質問(FAQ)

Q. レシートがない経費はどうすればいい?

電車代や自販機など領収書が出ない支出は、出金伝票やメモ(日付・金額・用途・相手先)を残せば経費にできます。後から作るのではなく、その都度記録するのがコツです。

Q. 自宅家賃は何割まで経費にできる?

明確な上限はありません。仕事に使う面積や時間の割合で合理的に按分し、その計算根拠を残せる範囲が目安です。実態とかけ離れた高い割合は説明が難しくなります。

Q. 10万円以上のパソコンは一度に経費にできる?

原則は減価償却で複数年に分けます。ただし青色申告なら「少額減価償却資産の特例」で30万円未満は買った年に一括計上できます(年間300万円まで)。

Q. 会計ソフトの利用料は経費になる?

なります。freeeやマネーフォワードなどの利用料は「支払手数料」などで経費計上できます。事業のための支出なので問題ありません。

Q. 経費を多く入れすぎると問題になる?

事業性を説明できない支出を経費にすると、税務調査で否認・追徴のリスクがあります。「事業に必要・金額が妥当・証拠がある」の3条件を満たすものだけにとどめるのが安全です。

まとめ — 「迷ったら記録」で経費は怖くない

経費にできるかどうかは、結局「事業に関係があると説明できるか」に尽きます。一覧で全体像をつかみ、グレーな支出は割合と記録で守る。あとは会計ソフトに自動取得と家事按分を任せれば、計上漏れはかなり減らせます。

完璧を目指して身構えるより、まずは事業用口座を分けて会計ソフトに連携するところから。月1回の未確認ゼロ習慣を回すだけで、来年の確定申告はだいぶ楽になるはずです。

この記事のポイント

  • 経費の判断軸は「事業に必要・金額が妥当・証拠がある」の3つ
  • 家賃・通信費・光熱費は按分。根拠メモを必ず残す
  • 健保・年金・生命保険は経費ではなく「控除」で申告
  • 会計ソフトの自動連携・レシート撮影・家事按分で漏れを防ぐ
  • 3社とも無料お試しあり。迷ったら実際に触って選ぶ

※本記事は一般的な情報の整理であり、個別の税務判断を保証するものではありません。最終的な経費・控除の判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。税制・料金は2026年6月時点(出典: 国税庁/各社公式)。

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