電子帳簿保存法に対応した会計ソフトの選び方|個人事業主が今やるべき対応【2026年最新】

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📅 公開: 2026年7月10日

💼 編集部レビュー|個人事業主の会計・電子帳簿対応を実務目線で検証

📌 この記事の立場

この記事は、個人事業主・小規模事業者の確定申告と帳簿管理を実際に回している視点でまとめたものです。料金・仕様は2026年6月時点。制度の細部は国税庁、各ソフトの最新情報は各社公式でご確認ください。

「電子帳簿保存法って、結局自分は何をすればいいの?」——個人事業主としてやよいの青色申告やfreeeを触りながら、私自身が一番つまずいたのがこの一言でした。

用語が難しく、ニュースでは「義務化」「猶予措置終了」といった言葉が飛び交います。とはいえ、ふたを開けてみると、ほとんどの個人事業主がやるべきことは驚くほどシンプルです。

この記事では、制度の全体像を最短ルートで整理したうえで、電子帳簿保存法にきちんと対応できる会計ソフトの選び方を、実際の料金や機能差を並べながらまとめてみました。専門用語は最小限にして、明日から動ける順番で書いています。

💡 この記事の要点(3行)

  1. 個人事業主が必ず守るべきは「電子取引データの電子保存」だけ。紙の領収書のスキャン保存は任意。
  2. 対応ソフトはJIIMA認証タイムスタンプ/訂正削除履歴の有無で選ぶ。freee・マネーフォワード・やよいの3強で比較。
  3. 月1,000〜3,000円台。事業規模と「請求書も作るか」で最適解が変わる。90日プランで切り替え。

電子帳簿保存法とは|個人事業主に関係する部分だけ

電子帳簿保存法(電帳法)は、もともと1998年にできた法律です。帳簿や書類を「紙ではなく電子データで保存してよい」と認めるためのルール、と考えるとイメージしやすいと思います。

話がややこしくなるのは、この法律が大きく3つの区分に分かれているからです。まずはこの3つを切り分けると、自分に関係する部分がはっきりします。

① 電子帳簿等保存|任意

会計ソフトで作った仕訳帳や総勘定元帳などを、印刷せずデータのまま保存することです。これは「やってもいい」という任意のルール。やらなくても罰則はありません。会計ソフトを使っていれば自然と満たしている領域です。

② スキャナ保存|任意

紙でもらった領収書・請求書をスマホやスキャナで撮影し、画像データで保存する仕組みです。これも任意。「紙の原本を捨てて、データだけで保管したい」人向けの選択肢で、無理に取り組む必要はありません。

③ 電子取引データ保存|これだけは義務

ここが個人事業主にとって唯一の必須ポイントです。メールやWebでやり取りした請求書・領収書・契約書などを、紙に印刷して保存するのではなく、電子データのまま保存しなければならない、というルールです。

具体的には、次のようなものが対象になります。

  • Amazonや楽天など、ネット通販でダウンロードした領収書・購入明細
  • メール添付で届いたPDFの請求書・納品書
  • クラウドサービスの利用料など、Web画面から取得する明細
  • 電子契約サービスで締結した契約書

⚠️ ここを誤解しやすい

「電子データで受け取ったものを、わざわざ紙に印刷して保管」——これが2024年以降は原則NGになりました。逆に、最初から紙でもらった領収書は、今まで通り紙のままファイリングして大丈夫です。すべてをデータ化しなければいけない、わけではありません。

2023年末までは「印刷保存でもよい」という宥恕(ゆうじょ)措置がありましたが、これは2023年12月31日で終了しました。2024年1月1日以降は、電子取引データは電子保存が原則です(出典: 国税庁「電子帳簿保存法の概要」)。

ただし、これも頭ごなしの義務ではなく、後述する「相当の理由があると認められる場合の猶予措置」が用意されています。慌てて完璧を目指す必要はない、というのが実務をやってみての正直な感想です。

2026年時点で「今やるべき対応」3ステップ

制度の話だけ読んでも手は動きません。個人事業主が実際にやることは、突き詰めると次の3ステップだけです。

ステップ1|電子取引データを「探さなくていい場所」に集める

電子保存で最初につまずくのは、保存そのものより「あとで探せない」ことです。Amazonの注文履歴、メールの添付PDF、各サービスのマイページ……バラバラの置き場所のままだと、税務調査や見直しのときに泣きを見ます。

会計ソフトの「電子帳簿保存」機能を使うと、PDFをアップロードするだけで取引と紐づけて保管できます。ここが、対応ソフトを選ぶ最大の理由になります。

ステップ2|「真実性」と「可視性」の要件を満たす

電子取引データの保存には、ざっくり2つの要件があります。難しく見えますが、対応ソフトを使えばほぼ自動で満たせます。

要件 中身 ソフトでの満たし方
真実性 データの改ざんを防ぐ タイムスタンプ付与、または訂正・削除の履歴が残る仕組み
可視性 あとで検索・表示できる 日付・金額・取引先の3項目で検索できる管理画面

真実性については、自前で「事務処理規程」という書類を作って運用する方法もあります。ただ、規程を作って毎回ルール通りに運用するのは正直しんどい。ソフト側で履歴が自動で残るほうが、結果的にラクで確実だと感じています。

ステップ3|売上5,000万円以下なら「猶予措置」も知っておく

📎 検索要件の緩和

2課税年度前の売上高が5,000万円以下の事業者は、税務調査でデータをダウンロードして提出できるようにしてあれば、ソフトの検索機能をフル装備しなくてもよい、という緩和があります。さらに「相当の理由」がある場合の猶予措置も継続中です(出典: 国税庁)。多くの個人事業主はこの範囲に入ります。

つまり、最低限「データを消さずに、整理して残しておく」ことができていれば、いきなりペナルティ、という話にはなりにくい、ということです。とはいえ、後から整理する手間を考えると、最初から対応ソフトに集約しておくのが現実的だと思います。

電子帳簿保存法に対応した会計ソフトを選ぶ5つのチェックポイント

「電帳法対応」とうたうソフトは多いですが、対応の中身には差があります。私が乗り換えを検討したときに実際に見たポイントを、優先度順に並べます。

① JIIMA認証があるか

JIIMA(日本文書情報マネジメント協会)の認証は、「このソフトは電帳法の要件を満たしていますよ」と第三者がチェックしたお墨付きです。freee・マネーフォワード・やよいの主要プランはいずれも認証取得済み。ここがないソフトは、要件を自分で確認する手間が増えるので避けたほうが無難です。

② タイムスタンプ/訂正削除履歴に対応しているか

真実性の要件を、規程運用なしで満たせるかどうかの分かれ目です。クラウド会計ソフトは多くがこの仕組みを内蔵しています。事務処理規程の自作を避けたいなら、必ず確認しておきたいところ。

③ 検索性とアップロードの手軽さ

日付・金額・取引先で検索できるか。そしてPDFをドラッグ&ドロップで放り込めるか。地味ですが、毎月の運用ラクさを一番左右する部分です。スマホアプリでレシートを撮ってそのまま登録できると、後回しグセのある私には助かりました。

④ 確定申告(青色申告65万円控除)まで完結するか

電帳法対応はあくまで入口。最終的には確定申告までソフト1本で終わらせたいはずです。e-Taxでの電子申告に対応していれば、青色申告特別控除の最大65万円の要件も満たしやすくなります。

⑤ 料金とサポート

個人向けプランは月1,000〜3,000円台が相場。安さだけで選ぶと、チャットサポートが有料オプションだったり、機能が物足りなかったりします。確定申告の時期だけでも電話相談がほしい人は、サポート範囲も比較対象に入れておくと安心です。

主要3ソフト徹底比較(freee/マネーフォワード/やよい)

個人事業主向けクラウド会計の定番3つを、電帳法対応・料金・向き不向きで並べてみます。料金は2026年6月時点の個人向け税抜・年払い換算の目安です(出典: 各社公式)。最新の正確な金額は必ず公式でご確認ください。

項目 freee会計 マネーフォワード クラウド確定申告 やよいの青色申告 オンライン
月額目安 約1,000〜2,000円台 約1,000〜2,000円台 初年度無料〜月1,000円前後
JIIMA認証
電子取引データ保存 ファイルボックスで一元管理 クラウドBoxで一元管理 スマート証憑管理で対応
操作スタイル 簿記を知らなくても質問形式で入力 簿記の知識があると速い 画面が素直で迷いにくい
電子申告(e-Tax)
電子契約 freeeサインと連携 マネフォ クラウド契約 外部サービス併用
向いている人 簿記が苦手・初めての人 他のMFサービスも使う人 コスト重視・シンプル派

freee会計|簿記アレルギーの人の駆け込み寺

「借方・貸方」という言葉を見ただけで閉じたくなる人に、一番すすめやすいのがfreeeです。質問に答えていく形で仕訳が進むので、簿記の知識ゼロでもそれなりに形になります。ファイルボックスにレシート画像やPDFを放り込めば、電子取引データの保存もそのまま完結します。

正直なデメリットも書いておくと、独特の操作体系に最初は戸惑います。簿記をすでに理解している人ほど「普通に仕訳させてほしい」ともどかしく感じる場面があります。

マネーフォワード クラウド|お金まわりをまとめたい人に

家計簿アプリのマネーフォワードと同じ会社で、銀行口座やクレジットカードとの連携の自動取得が安定している印象です。請求書発行・経費・給与など、お金まわりのサービスがそろっているので、事業が育ってきたときに同じ画面で広げられます。

こちらも正直に言うと、簿記の基礎がまったくない状態だと、freeeより初期のとっつきにくさはあります。逆に簿記が少しわかる人には入力が速く感じられるはずです。

やよいの青色申告 オンライン|コスト最優先のシンプル派に

老舗の弥生が出すクラウド版で、初年度無料プランがあるのが大きな魅力です。画面がシンプルで、確定申告の流れに沿って素直に進みます。「とにかく安く、申告だけきちんと終わらせたい」人の鉄板です。

デメリットとしては、請求書発行や電子契約などの周辺機能は、freeeやマネフォほど一体化していません。あくまで「会計・申告に集中したソフト」という位置づけです。

▼ freee(フリー)(A8提携・編集部おすすめ)

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タイプ別おすすめと正直なデメリット

🎯 迷ったらこの選び方

  • 簿記が苦手・初めての確定申告 → freee会計
  • 口座連携を多用・将来サービスを広げたい → マネーフォワード クラウド
  • とにかくコストを抑えたい・申告だけでいい → やよいの青色申告 オンライン

どれを選んでも電帳法の電子取引データ保存はクリアできます。なので「電帳法に対応しているか」で消去法的に絞るというより、自分の作業スタイルと予算で選ぶ、という考え方のほうが現実に合っていると思います。

一点だけ補足すると、無料プランや初年度無料に飛びつく前に、2年目以降の料金とサポート範囲は必ず確認しておきたいところです。乗り換えコストを考えると、最初から長く使える一本を選ぶほうが結局ラクでした。

電子契約・AI議事録までまとめて効率化する

電帳法対応をきっかけに会計まわりを整えると、ついでに見直したくなるのが「契約書」と「打ち合わせの記録」です。ここもデータでやり取りすれば、そのまま電子保存の流れに乗せられます。

電子契約|会計ソフトと同じ系列でそろえる手も

紙の契約書をPDF化して保管するより、最初から電子契約で締結したほうが、電子取引データとしてきれいに残ります。freeeを使うならfreeeサイン、マネーフォワードならクラウド契約、と会計ソフトと同系列でそろえると、明細や証憑の管理が一本化しやすいです。

取引先が電子契約に慣れていないと、最初は戸惑われることもあります。導入時は「印刷・郵送・保管の手間が双方なくなる」というメリットを一言添えると、受け入れてもらいやすい印象です。

AI議事録|打ち合わせ記録を自動でテキスト化

会計とは直接関係しませんが、個人事業主は商談や打ち合わせのメモも自分で取らないといけません。ここはAI議事録ツールに任せると、本来の仕事に集中できます。

ツール 特徴 向いている使い方
Notta 日本語の文字起こし精度が高い。録音・要約に強い 対面・電話商談のメモ
tl;dv Web会議に同席して自動で記録・要約 オンライン打ち合わせ中心の人

議事録から「次にやること」を抽出しておけば、請求や見積もりの抜け漏れも減ります。会計・契約・記録の3点をデータでそろえると、月末の事務作業がだいぶ軽くなった、というのが使ってみての実感です。

乗り換え・導入の90日プラン

一気にやろうとすると挫折します。私自身が回してみて無理がなかった、ゆるめの90日プランを置いておきます。

  1. 1〜30日目|選定と契約
    3ソフトの無料プランを実際に触り、自分の入力スタイルに合うものを1つに決める。銀行・カードの連携を設定する。
  2. 31〜60日目|電子取引データの集約
    Amazonやメールで届く請求書・領収書を、ソフトの保存機能に放り込むクセをつける。「届いたらその日にアップ」をルール化。
  3. 61〜90日目|申告準備まで通す
    1か月分の仕訳をひと通り完成させ、レポートを確認。e-Tax連携を試して、確定申告の本番でつまずかないようにしておく。

まとめ

個人事業主が電子帳簿保存法で必ずやるべきは「電子取引データの電子保存」だけ。JIIMA認証付きのクラウド会計ソフトを1本入れれば、要件はほぼ自動で満たせます。あとは自分の作業スタイルと予算でfreee・マネフォ・やよいから選び、90日かけて慣れていけば十分です。完璧を一日で目指さないこと——これが続けるコツだと思っています。

制度の細部や金額は変わることがあります。導入前に、国税庁の最新情報と各ソフトの公式ページを必ず確認してください(出典: 国税庁/各社公式)。

よくある質問(FAQ)

Q. 個人事業主でも電子帳簿保存法への対応は必須ですか?

A. 必須なのは「電子取引データの電子保存」だけです。メールやWebで受け取った請求書・領収書をデータのまま保存する、という部分です。紙でもらった書類のスキャン保存は任意なので、無理に取り組む必要はありません。

Q. 会計ソフトを使わずに対応することはできますか?

A. 可能です。電子取引データを決まったフォルダに整理して保存し、改ざん防止の事務処理規程を自作・運用すれば要件は満たせます。ただし規程の運用は手間がかかるため、JIIMA認証付きのソフトに任せたほうが結果的にラクで確実だと感じています。

Q. 無料の会計ソフトでも電帳法に対応できますか?

A. やよいの青色申告オンラインの初年度無料プランなど、無料でも電帳法対応のものはあります。ただし2年目以降の料金やサポート範囲はプランによって差があるので、長く使う前提で確認しておくと安心です。

Q. freeeとマネーフォワード、どちらが個人事業主向きですか?

A. 簿記が苦手で初めて確定申告をするならfreee、口座連携を多用したり将来サービスを広げたいならマネーフォワードが合いやすいです。どちらも電帳法・電子申告に対応しているので、操作の好みで選んで問題ありません。

Q. 電子保存していないと、すぐ罰則になりますか?

A. いきなり重い罰則になるわけではありません。売上5,000万円以下の事業者には検索要件の緩和があり、相当の理由がある場合の猶予措置も継続中です。とはいえ後から整理する手間を考えると、最初からソフトに集約しておくのが現実的です(出典: 国税庁)。

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